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◆早春◆
節分も過ぎ、いよいよ春を迎えようとしています。学期末試験が終わると、学生たちにとっては春休みになります。2月22日には、岡部ゼミ3・4回生は合同で、レンゴー株式会社三田工場を見学し、その後、皆で城崎温泉へゼミ旅行に出かけます。雪国への列車の旅、温泉、そしてカニ料理を存分に楽しみたいと思っています。

◆SOPATの春合宿はお休みです◆
例年、春休みには実証会計研究会(SOPAT)の合宿研究会を開いてきましたが、まことに申し訳ないことですが、本年の春合宿はお休みとさせていただきます。そうでなくとも、学期末の繁忙な時期なのですが、今年は、2−3月の毎土曜日に、社会人MBAコースのプロジェクト研究(ゼミのようなもの)を開くことになっています。ヒヤリングのための会社訪問、東京出張なども重なり、スケジュールがタイトで、どうにも身動きがとれなくなってしまいました。合宿の勉強会もさることながら、テニス大会を楽しみされている方も多いと思いますが、どうか、お許しください。

◆期末試験の話題を2題◆
隔年講義の「税務会計」を大教室で10月から13回行い、通常のペーパーテストという形で期末試験を行いました。700枚を超える答案の数もさることながら、話題になることが2つあります。
(1)会計用語のこと
最近では会計用語が新聞によく出ること、日本語に馴染みの薄い留学生が増えたことなどを考慮して、教室では時事用語解説のようなトピックに、かなりの時間を割いています。特に、不良債権、経営破綻、会社整理などに関連する、不況期特有の会計用語については、数値例を交え、かなり念入りに解説したつもりです。この講義を受けて、次のような問題をだしましたが、意外や意外、あまり出来ていないのです。
1.次の文の(a)ー(e)に最もよく当てはまる会計用語は何ですか(15点)。
(ア) 課税所得というのは( a )から損金を控除した差額をいう。
(イ) 前期繰越商品がゼロの場合、当期仕入高と期末繰越商品の差額は( b )である。
(ウ) 営業収益よりも営業費用が大きい場合、これらの差額は( c )と呼ばれる。
(エ) 資産から負債を控除した差額がマイナスになっているとき、この状況を( d )という。
(オ) 株主持分(資本)から資本金と法定準備金(資本準備金と利益準備金)を控除した差額がマイナスになっているとき、このマイナスの金額は( e )と呼ばれる。
税務会計の講義を受けて、「益金」が分かっていなかったとすれば、教え方がわるいというほかはありませんが、分かっていない学生が少なくないのです。「売上原価」の計算は何度も黒板でやりましたし、「営業赤字」というのは新聞用語で、会計学では「営業損失」というのだ、という点も繰り返しています。「債務超過」というのは新聞の大見出しにも出てくる流行語ですが、これが合っているのはごく少数です。「欠損金」という用語を知っているのはCPAや税理士の受験生くらいなものだろうという予想でしたから、これができていないのは驚きではありません。しかし、天下の神戸大学で、この問題に50%以上の正解が少ないとなると、考えてしまいます。
(2)自己評価
日本の大学はどこでも、「強制された自己評価」をやらされていて、自己評価報告書、自己点検報告書を公表しています。研究、教育などをどのように行い、どこに問題があるのかを教員の手によって点検・評価するものです。
数年前よりこの考えを期末試験に導入し、学生に自己評価を求め、その自己評価のやり方を担当者の方で採点しています。ふまじめな自己評価は0点、「出席もわるく、この答案も出来ていないので、総合評価で30点」といった正直な自己評価には15点といった配点です。今年の出題は次のとおりです。
「出席、文献研究、試験準備、答案の出来ばえなどを総合的に自己評価するとすれば、あなたの成績は、100点満点で何点ですか。簡単な理由を添えて、自己評価点数を示しなさい(15点)。」
意外にまじめな自己評価が多いという印象です。「クラブ活動で頑張ったので、試験は不出来だが、60点」とか、「試験は35点だが、留年して、余分の学費を払ったので、倍の70点」といったのも2−3%ほどあることは事実です。しかし、勉強したらした、しなかったらしなかったというのが多いし、自己採点も70―80というリーゾナブルなものが大多数を占めています。

◆電子入札システム◆
(1) 世界中で一番安い売り手から資材、部品、用品を調達でき、製品市場においてコスト優位に立つ。
(2) 売り手の間における競争が激しくなって、売り手側においてコストダウンがすすむ。
(3) 調達担当者の情実が排除され、購買条件がクリアになる。
(4) 国際取引が増加し、「日本企業は閉鎖的」という海外の批判をかわすことができる。
(5) 調達事務が簡略化され、間接部門において省力化、コストダウンが達成される。
◆新学期に向けた学生のEメール環境の検討◆ (1) Eメールに使えるパソコンを自分で持っている学生は少数で、学内の共用パソコンに頼らざるをえないが、パソコン教室はいつも混雑していて、使えない。
(2)六甲台まで登ってきて、いまさらEメールを打っても意味がない。掲示板をみるか、友人にケイタイする方が情報が早い。
(3) ダイヤルアップで神戸大学のサーバにアクセスしようとしても、回線が混雑していて、つながらない。
(4) Eメールで教務掛や担当教授に問い合わせても、返事がもらえない。
◆次回の更新◆ 1999年02月18日
神戸大学財務会計ラボ
岡部 孝好
インターネットが普及して、電子入札システムを採用する会社が増えています。買いたい物品のリスト、仕様、品質、数量、納期などをインターネット上に公開し、インターネットを通じて入札を受け、最安値の応札者をシステムで選択し、発注手続きをシステムですすめるというものです。いくつかのメリットがあります。
この電子入札システムは、「安ければ、どこの、誰からでも買う」というものですから、オープンな調達政策であり、旧来の日本型取引制度と根本的に違っています。わが国では古くから実績主義が支配的で、取引実績を積んだ取引先だけと取引をするのが一般でした。資材、部品、設備はもとより、鉛筆やネジクギの小物にいたるまで、「いつもの」取引先から調達するのがふつうだったのです。この「継続的取引関係」が下請制度とか、系列取引を形づくっていたわけです。
オープンな調達システムが理想的だということは、これもでにもよく知られていたことです。しかし、新しい取引先を捜すのは大変な苦労で、テマヒマを考えると、コスト(情報コスト)がかなり高かったのです。そのうえ新しい取引先には信用に不安があり、騙されるリスクがあります。いきおい実績を頼りに、信頼がおける「いつもの」取引先に発注しがちになります。
新しい取引先と取引を開始することには、「よい売り手が誰なのか分からない」、「不履行のリスクが高く、信頼がおけない」といった問題点があります。この問題点を解決する1つの方策が商社の利用でした。商社には取引相手の情報が蓄積されていますので、また商社はリスクを引き受けますので、商社に頼めば、商社を媒介に新しい取引相手と取引ができます。しかし、商社にマージンを払うだけ、コストは高くなる勘定です。
インターネットを利用した電子入札システムでは、売り手の公募を通じて、新しい調達先を捜します。しかも、商社を経由しない、直接的な取引です。効率は高くなりますが、リスクへの対処という問題があります。取引は発注してから、納品、検品、決済へと続きますが、どのステップでトラブルがあってもこまる(コスト高になる)のです。品質だけでなく、JITでは納期、納品場所もきわめて重要ですから、これらの取引ステップの管理システムを電子入札システムに組み込む必要があります。それが実際にどうなっているかが、大いなる関心事といえそうです。
神戸大学では、昨年より総合情報処理セエンターが、全学生にEメールのアドレスを渡していますが、このアドレスを使っている学生はきわめて少数のようです。理由はいくつかあります。
最後の大学側の対応については、教官も事務もとてもEメールの相手をしていられないほど忙しいわけですので、早急に解決できそうにありません。しかし、そのほかについては工夫の余地がありそうです。学生は学外に住んでいるわけですので、キャンパスの外でアドレスを持てばよいのです。
EメールのIDを発行する商用プロバイダーは乱立といわれるほど、たくさんあります。このプロバイダーと契約して、プロバイダー経由で大学にアクセスすればよいのです。その費用の負担など、細かい問題が多数残されています。しかし、これが一番の近道と思えますので、この方向に向けて、これから検討を急ぎたい、と思っています。
このラボは隔月更新の方針ですが、最近は雑用にかまけ、更新が遅れ気味で、みなさまにご迷惑をお掛けしています。新学期には次の更新をいたしたいと考えていますので、よろしくお願いします。